現在



あらやだ長くなっちゃったわね。
それからは皆さんもご存じのこの洞窟でみずいろちゃんと二人で暮らしているの。

そろそろみずいろちゃんが帰って来るわね…今日はみずいろちゃんの大好きなオムライスと赤だしのみそ汁。喜んで貰えるかしら?

あっ、あんな所に牛の毛が落ちてる!
危ない危ない…今日のお昼のみずいろちゃんが居ない時、ウシキング先生が来てた事を知られちゃマズイわ…ご近所様の目もあるしね…ウフフ

反撃



「うおおおおあああっ!!!!」

その音が、自分の咆哮だって気づいたのは戦いの後。
みずいろちゃんを守る、その気持ちだけが私の体を動かしていた。
残りの3体を破壊した事は記憶には無いの。クローンを全てたたき壊した私は、その場に崩れ落ちて丸一日気を失っていたから。

気が付いた時には、軍は周囲から撤退していたわ。
もう私を止める術は無いと思ったみたい。

気づいた時には、耳元で「おかあさん、おかあさん」というみずいろちゃんの声だけが聞こえて来たの。

この子と一緒に生きてゆこう。
超古代兵器として…いえ、一人の女として…

焦土



量産型クローンとの戦闘は熾烈を極めたわ。
地表の半分以上を焼き焦がしたその戦いは後に「炎の七日間」と呼ばれるようになるの。

それぞれはさほどの戦闘力でも無かったけれど、奴等は痛みを感じないクローン。次第に私は劣勢に追い込まれていった。

6体倒し、残り3体になった時にとうとう私は力尽きてしまう。
その懐にはみずいろちゃんが…
一斉に発射されたデスビームを受け、私の装甲は茶色に焼けこげてゆく。

「この子だけでも、守らないと!」

遠のく意識の中、耳に届いた言葉。
それは、みずいろちゃんが初めて喋った言葉。
確かに聞こえた。

「おかあさん…」

絶望



クローンタイプは警告も無しに私を攻撃してきたの。
デスビームが私の装甲を焼き焦がしていく。
コントロール出来ない超兵器なんて軍は不用だという事ね。
私はこう言ったわ…

「まさか…それで100%の力じゃないだろうな?…え?」

右手でクローンをなぎ払うと、その巨体が倒れ込んだわ。
奴はすかさず私の足を取って格闘戦に持ち込もうとしたけれど、その右腕を私のデスビームが引きちぎる方が一瞬速かった。

「危ないところだった…」

幼いみずいろちゃんを抱きかかえて私が空を見上げると、そこに9体の影が見えた。

「量産型…完成していたの?」

反旗



みずいろちゃんの顔を見た時に、私の中の良心回路が「ビビビビ」って反応したの。いえ「バババババッ!」って感じかしらいやむしろ「ズギャックス!」って感じかしら。どうでもいいわね。

まあそれはともかく、みずいろちゃんを見た瞬間から、私はすっかり戦争に行く気が無くなっちゃって…(恥)

みずいろちゃんと二人で平和に暮らす事に決めたの。
でも、もちろん軍はそんな事を許すはずも無かった。

ある日、私の前に降り立った敵。
真っ白で巨大なボディ。
不必要なまでに長い手足。
そして、デスビームを発射可能な眼球。

それは、UIMSが総力を結集して制作した私のクローン。

運命



おかあさんですよ?
昨日はどこまで話たかしら…そうそう、死の堕天使と呼ばれてた頃の話ね。

その頃の人類側(UGSF)との戦闘は苛烈を極めてたけれど、UIMS側が優勢だったの。もちろん新兵器のドラグーンなんとか?とかジオソードなんとか?とか投入された時は苦戦したけれど、私や知り合いのゾルギアさんが頑張った事でずいぶん奴等も駆除出来たわ。

そんな戦闘が終了して、メンテナンスの為にベースに戻った時に、あるロボット製造工場を踏みつぶしちゃったの。まあそれは良くある事なんだけれど、そこから転がり出てきたみずいろのロボット…それが私とみずいろちゃんの出会い。

まだまだ続くわよ…

過去



おかあさんですよ?

「みずいろブラッド」も発売され、世の中には死と破滅の空気が充満してきたみたいですね。そろそろ、あの話をする時が来たかしら。みずいろちゃんと、私の出会った時の話を…

数千年前、超兵器として古代人に作られた私は何らかの理由で封印されていたみたい。残念ながらその頃の記憶は無いわ。いやあね、更年期障害かしら。
気が付いたら今の軍(UIMS)に発掘されてそれ以来「復活した超兵器」とか「最凶の切り札」とか言われて、利用されてたの。

まあ私も人類抹殺の本能があったみたいだから、任務には嬉々として参加していたんですけどね(笑)

あ、そうそう。私は当時はピンク色だったのよ?
可愛いでしょ。うふふ。