手を尽くしてもなお


UGSFの攻撃で地球の表面にはいくつもの光の輪ができている。
それは、強力な電磁波によって全ての機械生命体を抹殺するEMP兵器の衝撃波だった。

その輪から逃げ出すように、幾筋ものか細い光が立ち昇ってゆく。
民間人を満載した脱出船だ。

「脱出船を守れ!」
「ブラックボディの…クロハラ准将の死を無駄にするなっ!」

だが、命令したクルーは床に倒れたままぴくりとも動かない。
みずいろは自らガンナーシートに座り、脱出船を狙うミサイルを迎撃していく。

「墜とさせないっ!あの船には、おかあさん達が乗ってるんだ!!!」

レーダーの半分は沈黙。
残りの半分がスクリーンに映し出すのはまるで豪雨のようなミサイルの軌跡。
学生時代に射撃で抜群の成績を誇ったみずいろも、全てを撃ち落とす事は到底出来ない。

一発、また一発と通過してゆくミサイルは脱出船団の方向へと向かってゆく。

みずいろが叫ぶ。
その眼に黄色い閃光が広がってゆく。