イチカバチカ


「第9艦隊デルタノーズ級、旗艦オーディン轟沈します!」
「ドルドヴァ12隻が航行不能、8隻が当艦隊に合流します!」
「第10艦隊からの応答途絶!」

爆音。

「右舷大破っ!第2居住区の隔壁を閉鎖します!」

衝撃に悲鳴を上げる艦橋の中で矢継ぎ早に被害報告が上がってくる。
みずいろ率いる第13主力艦隊は、その半数を失いながら敵艦隊の中心部へと突撃していた。

「見えたっ!」

敵の惑星破壊砲。
全長が数千キロにも及ぼうという巨大な円筒状の兵器がゆっくりと回頭している。その砲口が第13艦隊を捉えようとしていた。
みずいろが叫ぶ。

「面舵いっぱい!敵と地球の軸線上に艦隊を移動せよ!」
「しかしそれでは、地球に当たります!」
「構うなっ!奴等に地球を撃つ事は出来ないっ!」

卑怯な作戦だと判っていた。
だが、それしか方法は無かった。
惑星破壊砲が第13艦隊を射線上に捉えた時には、その先に地球が位置した。
戻るべき星を撃ち抜く事は出来ないUGSFを尻目に、みずいろは艦隊に残された火力を全て反撃に費やす。

「目標!敵、惑星破壊砲!砲の内部を狙え!」

その意図を察知したUGSF軍は、全力で惑星破壊砲を回頭・後退させようとした。だがその巨体故に攻撃をかわす事が出来ない。「ブラッドレイン」を初めとする残存艦艇の砲撃が惑星破壊砲の砲口から内部に入り込む。
次の瞬間、反物質爆弾の閃光が惑星破壊砲の表面を引き裂きながら漏れだしてくる。その光は宇宙を真っ白に染めてゆく。

その爆発の渦に敵艦隊が飲み込まれていった。

「やったか!?」